生きてるだけで丸もうけ

海外での学生生活や、旅行、仕事などについてまとまりはないですが定期的に綴っていければいいと思います。

HPC プライマリー・コース募集の件

私のように将来国連で働くことを希望している者にとって、一つの登竜門と言えるのがこのHPC プライマリー・コースである。

 

【広島平和構築人材育成センター(HPC)】

 

このコースは外務省委託事業であり、内容は国内研修と海外研修の2つがある。

 

国内研修: 6週間の講義・ワークショップを通し、実践的な平和構築・開発を学ぶ。参加者は日本人15名、海外10名の計25名。講義は全て英語で行われる。

 

海外研修: 国連ボランティアとしての1年間の研修。日本人のみが対象で、国内研修の間(後にずれ込むこともある)に自分の希望する機関、フィールドとのマッチングを行う。マッチングがうまくいけば4月以降に順次派遣される。(夏以降にずれることもある)

 

このプログラムで何より魅力的なのは海外研修である。
国連ボランティアに直接応募することはもちろん可能ではあるが、多くの場合「国連公用語を2ヶ国語以上」といった制約があったり、何年もボランティアとして働いている人たちと競合するため、非常に競争率が高い。このコースは外務省の委託事業であるため、海外研修は日本人のみ参加可能となっているため競争率は比較的低い(と思う)。

また、私は今年某国連機関の日本代表とユニセフソマリアでそれぞれ3ヶ月間インターンを行ったが、3ヶ月という期間ではなかなか仕事の流れを掴むのは難しい。また、インターンというポジションでは重要な仕事を任されることは少なく、経験を積むというよりは勉強になったで終わってしまう。
しかし、この海外研修では正式な国連ボランティアとしての派遣となるため給与が支給される。そのため、派遣先も一人の戦力として扱うため関われる仕事の幅がグンと広がる。また、国連での正式採用を目指すにあたっても非常に有利になる。というのも、国連機関のほとんどは人を採用する際、まずは機関内に募集のメールを送付する。そして応募者を募り、競わせ、その中から採用するため、外部の人を職員として採用することは非常に稀である。(コンサルタントなどの契約採用は多い)

参加費用は303,750円とやや高く感じるが、国内研修の移動費、宿泊費などを考慮すると妥当、もしくは少し安く思える。
先述したように、国連ボランティアは多くはないが給与が支給され、また過去の参加者の話では派遣時に「移動手当」として50万円程度の手当の支給があるとのこと。とりあえず家族にお金を借りて、派遣後に返済するというのも一つの手ではあると思う。
また、先日の国連メーリングリストで、特定営利法人ピースビルダーズより貸与ではあるが、このプライマリー・コース参加者向けの10万円の奨学金プログラムの案内が送付された。
私のように、修士プログラムを始める前に家族から「もうあなたは25歳なのだから金銭的サポートは一切しないよ」と言われ、かなりお金に苦労している苦学生には非常にありがたい制度だ。

 

応募資格は以下の8点。(Webサイトより引用)
(1)今後平和構築・開発分野(法律、行政、教育、保健・衛生、後方支援(調達、IT、人事、メディ ア等を含む)等)において活躍する強い意志を有する者
(2)平和構築・開発に関連する諸分野で 2 年以上の実務経験がある者(インターンやボランティア経験等も考慮します)
(3)大学学部卒相当以上の学位を有する者
(4)誕生日が 1976 年 4 月 1 日以降,1991 年 4 月 1 日以前である者
(5)日本国籍を有する者
(6)TOEFL iBT 90 点、TOEIC 900 点、IELTS 6.5 点以上もしくはこれと同等の英語力を有する者
(7)原則として国内研修・海外実務研修に全て参加することができる者
(8)研修への参加に支障がないことが想定できる者(合格者には、海外実務研修開始までに UNV 基準にしたがって、健康診断・予防接種を受けていただき、海外実務研修に支障があることが判明し た場合は、海外実務研修に参加出来ません)

 

この中で最も判断が難しいのが(2)であろう。私は2年半の国内化学メーカー勤務経験と、3ヶ月×2の国連機関でのインターン経験があるのだが、これは(2)を満たしていると言えるのだろうか。HPC のホームページでQ&Aを確認すると以下のような記載がある。以下引用。

 

Q13)どのような実務経験・研究経験が平和構築・開発に関連する諸分野に該当しますか。
A13)平和構築は、平和の定着から国づくり、復興・開発に至るまでの幅広い分野を対象としているため、平和構築・開発に関連する諸分野は、後方支援、航空、輸送、補給、法律、警察、行政、保健・医療、メディア、IT、教育、人事、マネジメント等広範なものです。ご自分の経験が平和構築に関連しているか不明の場合でも、申込書にこれまでの実務経験や研究経験を記入いただけたらと思います。これまでの研修員の中には前職が国家・地方公務員であった方や、民間企業(メディア、法律事務所、IT、メーカー、総合商社等)にお勤めになられていた方、研究職につかれていた方、NGOでの勤務をされていた方、様々な方々がいらっしゃいます。インターンやボランティア等の経験を活かして、大学院修了直後に25歳で事業に参加された方もいらっしゃいます。なお、研修員の選考においては、平和構築・開発に関連する諸分野での研究経験や実務経験のほか、英語力や今後の平和構築・開発分野での活動に対する意欲などを総合的に審査します。

 

すなわち、ここでの実務経験は「平和構築・開発に関連する諸分野で役立つ実務経験」を指すのであろう。もし違っていれば私は真っ先に書類選考で弾かれるであろう。その他の条件は全て満たしているため(特に(8)には自信がある)、問題ないと思われる。


余談ではあるが、日本の企業、組織はTOEICを重要視する傾向がある。
私の働いていた会社では、2年目の社員に1ヶ月の英語研修が用意されており、TOEICの点数が良い者3名はニューヨークへ、他はシンガポールへと一つの指標に使われていた。
日本ユニセフ協会の海外インターンシッププログラムの応募資格にもTOEIC900点以上もしくはTOEFL90点以上とあったし、今回も同様である。
大学院受験ではTOEFLが必要だったのだが、恥ずかしながら88点しか取得できなかった。個人的には、TOEFL90点の取得するのはTOEIC900点よりもはるかに困難であると思う。テスト内容はTOEICがリーディングとリスニングであるのに対し、TOEFLはライティングとスピーキングも含まれる。使われる語彙もTOEFLの方がはるかに多く、難しい。
試験時間はTOEICの約2時間半に対して、TOEFLは約4時間。
極め付けは受験費用である。TOEICは5,725円であるがTOEFLはUSD230、日本円で約30,000円だ。
会社を辞める半年前に、受験し取得したTOEIC 915点が思わぬ形で役に立ち、そして今回も役に立ってくれる。

長々と書いてしまったが、今回のブログは私にとって「絶対に合格するぞ!」という意味を持つ一種の決意表明であり、何か進展があれば今後の受験者のためにもこのブログで知らせていこうと思う。